オカヤドカリの飼い方

オカヤドカリを飼育しようか迷っている皆様

こんにちは。こんばんは。

 

今回、オカヤドカリの飼育の仕方や気をつけることなど徹底的にご紹介いたします。

かなり長くなりますが、最後までご覧いただければ飼い方をマスターできるはずです。

 

はじめに

オカヤドカリはペットとしてはまだまだマイナーなこともあり、飼い方の参考書やネット記事が少なく飼いたいけど不安。という方が多くいらっしゃると思います。

また、誤った飼い方を発信している方がいるのも現状です。。

そして極め付けは、「オカヤドカリの飼育は超簡単!」という記事がちらほら見られる点です。

結論から申し上げますと、オカヤドカリの飼育は”簡単ではありません”

厳密にいうと慣れれば簡単といった具合です。そもそも生き物を飼育するにあたって簡単ということはありません。

生体の価格から安易に購入して、ものの数日で死なせてしまうということは残念ながらよくある話です。

これからお話しするオカヤドカリの飼い方を読んだ上で、ぜひ検討していただければと思います。

 

下記の項目ごとにお話ししていきます。

①そもそもオカヤドカリとはどんな生き物?

②お迎えする場所・注意点

③飼育する際に必要なもの

④快適なオカヤドカリの住まい作り

⑤ご飯と水

⑥気をつけること

⑦最後に

 

①そもそもオカヤドカリとはどんな生き物?

オカヤドカリは、その名の通り、陸上で生活するヤドカリの仲間です。寿命は長生きだと20年ほどにもなります。

ここで「えっ?」と思った方、そうなんです。オカヤドカリは陸上で生活をする生き物なんです。海辺の砂浜や岩陰で見つかることが多いため、海の中で生活をしていると思い込んでしまいます。実際私もいざオカヤドカリを飼おうと思って飼い方を調べたところ海辺近くの森の中で生活をしていると知って驚愕しました。さらに驚くべき点は、水が苦手ということ。ヤドカリなのに?とちょっと不思議ですよね。

オカヤドカリはカニやエビと同じ甲殻類に属し、硬い殻で覆われた体を持っています。しかし、他の甲殻類とは決定的に違う点があります。それは、お腹が柔らかく、守られていないということ。そこでオカヤドカリは、身の危険から身を守るために貝殻を「家」として背負って生活しているのです。 オカヤドカリは、熱帯や亜熱帯の海岸近の森に生息し、日本では、特に沖縄でよく見られます。昼間は森の木陰や砂浜の岩陰などに隠れて過ごし、夜になると活動を始める夜行性の生き物です。 自然界では、波打ち際で自分の家となる貝殻を探したり、木の実や植物、時には他の生き物の死骸などを食べたりしながらたくましく生きています。

 

そしてオカヤドカリは”天然記念物”に認定されています。とても意外ですよね。

 

②お迎えする場所・注意点

オカヤドカリをお迎えするには2通りの方法があります。

・ペットショップでお迎え

オカヤドカリは天然記念物に指定されているため、国から特別に許可を得た業者だけが捕獲・販売を許されています。

そのため、許可を得た指定業者からのみしかペットショップに入荷しません。

爬虫類や海の生き物を取り扱っている店舗ならどこでも販売しているだろうと思って行くと、オカヤドカリがいない。ということもよくあります。

店舗でお迎えを検討している方は、事前にオカヤドカリの取り扱いがあるか確認した上で店舗に行くことをおすすめします。

また、個人の見解ですがオカヤドカリを選ぶ際は「カラダの色」、「足やハサミは欠けてしまってはないか」を注視すると良いです。

オカヤドカリは個体によってカラダの色が違います。自分の好きなカラダの色の子をお迎えしましょう。

そして、中には足やハサミが欠けてしまっている子もいます。オカヤドカリ同士の喧嘩や脱皮の失敗が原因です。

しかしながら、オカヤドカリの生命力は凄まじく脱皮を失敗することなくできれば足やハサミは再生します。実際私はお迎え当時、足が欠けている子がいましたが脱皮をし元通りになりました。

 

・ネット通販でお迎え

オカヤドカリを取り扱っているペットショップが近くにない。という方はネット通販でのお迎えも一つの手です。

ただし、実際に自分の目で確認できないため「思っていたよりも大きいor小さい」ということもあります。

個人的には片道1時間ほど以内であれば実際に見に行ったほうが良いと思います。

生体の金額は、生体の大きさや店舗によってバラバラです。

一番小さいサイズのSサイズでは、安いところで1匹100円〜200円、普通で300円〜400円、やや高いところだと500円〜800円ほどになります。

通販をご希望の方は、楽天市場・Amazonがおすすめです。

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個体の大きさによって金額が異なりますので、お好きな大きさの個体を選びましょう。

💡【注意】オカヤドカリは天然記念物に指定されているため自然界からそのまま持ち帰ることは固く禁じられています。

沖縄ではたくさん生息しており、可愛くて持ち帰りたくなる気持ちも分かりますがぐっと堪えましょう。

 

③飼育する際に必要なもの

オカヤドカリを飼育するには生体を含め、1万円ほどで大体のものは揃います。

ペットとしては初期費用が割と抑えられているのではないでしょうか。

下記が必要なもののリストです。

・水槽(生体の大きさに関わらずできるだけ大きめ、蓋付き)※私は横60cm,奥行き30cm,高さ26cmを使用しています。

・オカヤドカリ専用の土もしくはサンゴ砂(私はサンゴ砂を使用しています)

どちらでも構いませんが、オカヤドカリ的には専用の土、人間的にはサンゴ砂といった具合です。

それぞれのメリット・デメリットがあります。

土のメリット

オカヤドカリは森に生息しているため、そもそも馴染み深い。

保温、保湿の効果が高い。特に冬の乾燥、寒い時期には効果を発揮します。

オカヤドカリは脱皮をする際に潜って、空間を作ります。土の場合、空間が作りやすく崩れにくい。

デメリット

土は昆虫にとって過ごしやすい場所のため虫が湧きやすい。

土は基本的に洗って繰り返し使用ができないため、必然的に長く使用してしまい菌が繁殖しやすい。また、オカヤドカリは糞をたくさんします。

黒や茶色っぽい色のため、土と同化して取り除くことが難しく匂いの原因にもなります。

サンゴ砂のメリット(必ずキメの細かいサンゴ砂を使用してください。イメージは砂場の砂くらいです)

洗って使用できるため、衛生的&お金がかかりにくい。

オカヤドカリに必要なカルシウムやミネラルが含まれているため、食べて摂取することが可能。

糞が見えやすく、水槽内をきれいに保つことができる。

見栄えが良い。

 

デメリット

土よりも脱皮をする際に空間が作りにくい。

保温性が低い。

水槽内にかなりの量のサンゴ砂を敷き詰めるため、水槽がかなり重たくなる。

 

上記がそれぞれのメリットデメリットになります。

個人的に土は虫が湧きやすいのが懸念点だったため、私はサンゴ砂にしています。

 

・ヒーター(20度を下回るような寒い日)

・替えの貝殻(1匹につき2〜3個は入れてあげましょう)

・隠れ家となるシェルター

オカヤドカリはとても臆病な生き物です。身を隠すことができるシェルターを入れてあげましょう。

・流木や石など

立体的な動きが多いため、入れてあげると良いでしょう。

・海水入れ

オカヤドカリは生きていく上でミネラルがとても重要になります。汲んできた海水や人工海水を入れる必要があります。

※オカヤドカリ用のミネラルゼリーや粒上のミネラルも販売されており代用ができますが、できる限り人口海水(海水)を入れてあげるようにしましょう。

脱皮後や脱皮前はミネラルを多く必要としますので、海水の場合浸かって効率よく摂取することができます。

不安な方は、人工海水(海水)とミネラルゼリーもしくはミネラルを両方入れてあげましょう。

・飲み水入れ

※カルキ抜きをして必ず真水にしましょう。水道水や市販の水は塩素が含まれているためです。

・餌入れ

・温度湿度計

・霧吹きできるスプレー(湿度を保つために使用します)

 

④快適なオカヤドカリの住まい作り

さて、上記の必要なものが揃ったら早速オカヤドカリの住まい作りです。

ここからは手順を追ってご説明いたします。

①水槽を置く場所は、直射日光が当たらずできるだけ人通りが少ない場所に設置しましょう。

②水槽内に土もしくはサンゴ砂を敷き詰めます。敷き詰める深さは、最低でもオカヤドカリが縦に3匹すっぽり隠れる深さです。

ここで真水で土やサンゴ砂を湿らせます。ぎゅっと手で握った時に少し固まるくらいが理想です。

③流木や石、シェルター、餌入れ、水入れ、海水入れを好みに合わせてレイアウトしましょう。空いている空間に替えの貝殻を置きます。

④温度湿度計を設置します。温度は24度〜28度、湿度は60%〜80%にします。

⑤温度が20度を下回る場合、ヒーターを設置。湿度が足りない場合は、霧吹きで全体を湿らせます。

 

ここまできたらいよいよ生体の導入です。

優しく持って水槽内に置いてあげましょう。すぐに貝から顔を出さないかもしれませんが、触らずに待ちましょう。

 

⑤ご飯と水

オカヤドカリは雑食で基本的には何でも食べます。野菜やお肉、魚はもちろんのこと枯葉も食べます。

オカヤドカリは人のように1匹1匹好きな食べ物が違います。

ただ、ほとんどの個体が好きな食べ物があります。それは、とうもろこしやポップコーンです。日本人でいうと、白米の立ち位置に近いと思います。

逆に食いつきが悪い食べ物は酸味がある食べ物だと言われています。レモンやカボスなど。

オカヤドカリにご飯をあげる場合は、できるだけ添加物や農薬が含まれていないものを選び野菜や果物、お肉、魚などバランスよくあげましょう。

オカヤドカリは非常に少食のため、食べているのか食べていないか分からないほどです。もちろんたくさん食べる子もいますよ。

置いたご飯が減らないからといって交換せずに数日放置すると匂いや虫が湧いてしまう原因に繋がるため毎日交換しましょう。

飲み水も同様に毎日交換します。

カルキ抜きの仕方は方法がいくつかあります。カルキ抜きの薬品を使って、真水にする方法。水道水を沸騰させ、塩素を飛ばす方法など。

私は水道水を沸騰させ1日置いたものを使用しています。

 

⑥気をつけること

オカヤドカリは非常に臆病な生き物のため、頻繁に触ってストレスを与えないようにしましょう。

湿度が低い場合、霧吹きで土や砂を湿らせて湿度を上げますがその際にオカヤドカリに直接かからないようにしましょう。

オカヤドカリは脱皮を繰り返して成長していきます。土や砂の中に潜り脱皮を行います。まれに地上で脱皮をしてしまう個体もいます。その場合は、他の個体に襲われないようにそっと蓋などを被せてあげましょう。

脱皮期間は2週間〜3週間ほどですが、個体によっては丸々1ヶ月潜る子(特に大きな個体)もいます。

オカヤドカリにとって脱皮は命懸けです。脱皮が失敗してしまうと、足が欠けてしまったり最悪の場合死んでしまいます。

失敗の原因としましては、脱皮中に他の個体に襲われる。脱皮中に土や砂を掘り返してしまい、脱皮を中断させてしまう。乾燥。などです。

脱皮後は完全に体が出来上がっておらず、少し柔らかくなっています。他の個体に襲われそうな場合は、1週間ほどは別の水槽に移してあげましょう。

脱皮中は長い間土や砂の中から出てこないため、死んでしまったのではないかととても不安になります。

しかし、絶対に掘り返したりはせずに気長に待ちましょう。3ヶ月以上待っても出てこない場合は、脱皮不全の可能性があります。そっと掘り起こしてみましょう。

脱皮に入る前触れとしましては、海水に浸かったり、あちこちを掘り起こしている(安心して脱皮できる場所を探している)、よく食べるなどです。

オカヤドカリは脱走の名人と言われるほど、脱走します。必ず蓋をするようにしましょう。蓋は軽い場合簡単にこじ開けられてしまうため、セットできるタイプや重いものがおすすめです。

オカヤドカリを複数匹飼育する場合は、広い水槽でも5匹までが良いです。

多すぎると喧嘩をしてしまったり、脱皮をしている際に襲われる危険性が高まるためです。

逆に1匹の場合は脱皮に入った際に水槽がもぬけのからになり寂しいため、2〜5匹がおすすめです。

 

⑦最後に

オカヤドカリは正しく飼育すれば10年以上生きます。

また、一度必要なものを揃えてしまえば飼育費用はほとんどかかりません。

ちょこちょこと動く愛くるしい姿は、眺めているだけで癒されます。

正しい飼育で永く一緒にいれるようにしましょう。

 

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